日車協連は国土交通省及び日本自動車車体補修協会(JARWA)と自動車の新技術・材料に対応した適切な車体整備を実施するための方向性、施策を検討する「車体整備の高度化・活性化に向けた勉強会」を実施している。同勉強会で提言された「優良な車体整備工場の見える化」を受けて、車体整備士資格保有者の増強及び継続教育を目的に高度化車体整備技能講習を開催している。今号では、令和5年度高度化車体整備技能講習・車両計測編のインストラクター研修会の概要を紹介掲載する。
日車協連は、3月12日にイヤサカ・福岡トレーニングセンター(福岡県福岡市)、同18・19日に東京都立多摩職業能力開発センター(東京都昭島市)、同21日に奈良県自動車車体整備協同組合会館(奈良県磯城郡)で令和5年度の高度化車体整備技能講習・車両計測編のインストラクター研修会を開催した。
同研修会は、日車協連が推進している「優良な車体整備工場の見える化」の実現に向けた取り組みの一環で、令和5年度の高度化車体整備技能講習の講師(インストラクター)の養成を目的としたもの。同技能講習の趣旨及び内容を周知することで、各都道府県の車体整備協同組合で実施する講習の内容やレベルを標準化する狙いがある。
3月12日に九州会場で開催されたインストラクター研修会において、小倉龍一会長は「6回目を迎えた今回の高度化車体整備技能講習は、ボディーアライメントとホイールアライメントをテーマにした。カリキュラムについては、ボディーアライメントは車体整備士の実務レベル、ホイールアライメントは3級シャシ整備士レベルを想定して作成した。講師を務めるには、100%の知識では足りず、130%以上の知識が必要となる。分からないことを分からないままにせず、不明なところがあれば積極的に質問してもらい、今日学んだことを各県に持ち帰ってほしい」と挨拶した。
その後、学科並びに実技を解説、指導する講師陣が紹介された。併せて、同技能講習の目標受講者数が3,000人であることが発表された。
研修会では、ボディーアライメントとホイールアライメントの知識の必要性、足回り整備を行う上での車体整備士の位置付け、ボディー及びホイールアライメントの計測・測定や整備方法などを座学した。
続いて、ボディー計測時に使用する機器の使い方と、日車協連・技術委員会が制作した4輪アライメントテスターを使用しないスラスト角の計測方法に関する動画を視聴した。その後、2班に分かれてボディー計測器の使い方と、テスターを使わないスラスト角の計測を実習した。
今年度の高度化車体整備技能講習・車両計測編も、全国の車体整備協同組合において開催が予定されており、それに向けての準備が進められている。日車協連の組合員事業所としては、所属している単組の事務局に日程等を確認した上で、先進安全自動車の整備に欠かすことのできないボディーアライメント及びホイールアライメントの知識を学ぶ同技能講習に参加してほしい。