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日産 セレナC26系スライドドア41万円 ネオクラッシクカー以外にも注意

25.08.18

近頃、日産のネオクラシックカーの部品価格高騰が業界内で波紋を広げている。しかし、その影響はスカイライン、シルビア、フェアレディZといった往年の名車にとどまらない可能性が出てきた。

新たに高騰が確認されたのは、日産セレナ(C26系)のスライドドア右側(部品番号:H210M-1VNAC)。その価格は、なんと41万8000円(税別)に達している。この部品は、2014年1月以降に生産されたハイウェイスター、ライダーのマニュアルスライドドア仕様に適用される。

車体整備用見積りソフトウェア開発のプロトリオスが、過去データを調査したところ、下記のような価格推移が明らかになった。

2014年 4万7600円
2017年 4万9000円
2020年 5万1500円
2023年 5万8400円
2025年 41万8000円
(価格はいずれも税別)

2025年4月からの値上げ率は、実に615.75%、6倍以上となった。同社は4月の時点でこの情報を認識していたが、価格の急騰という事態を受け、カーメーカー側の誤植である可能性を考慮し、敢えて1ヶ月間状況を見守った。しかし、1ヶ月を経ても価格情報に訂正はなく、セレナC26 系が2010年11月から2016年8月までの生産モデルであること、生産終了から10年未満であり、かつ市場に多数流通している車種であることを総合的に判断し、この価格が確定的なものであると判断した。

現在、セレナC26系の中古車市場では、40万円を下回る価格で取引される個体も少なくない。つまり、2014年1月以降に生産されたハイウェイスター、ライダー系においては、右側のスライドドア(マニュアル、電動オートスライドドアなし)を損傷して交換しようと考えた場合、部品価格が車両残存価値上回ってしまう。つまり、修理して乗り続けられない。趣味性が高い車両ではないだけに廃車を選ぶカーオーナーは少なくないだろう。

こうした部品価格の高騰に関する情報は、現時点では広く一般に知られておらず、大きな問題とは認識されていない。しかし、セレナC26 系のような、ネオクラシックカー以外の比較的新しい車両で同様のケースが頻出すると、中古車価格の下落を加速させることになる。やがてそれが新車から長く乗れないという評価につながった時、リセールバリューの悪化に繋がり、新車の販売不振を招く可能性も否定できない。

いずれにせよ、事故車修理で入庫した場合、車両残存価値を上回る可能性があるので、メインで交換予定の部品だけでも確認しておくことが重要となる。