
大阪府自動車車体整備協同組合が主催する「令和7年度 高機能塗装講習会」が、10月26日に堺市の(株)近畿自販にて開催された。同講習会は「利益と信頼を同時に磨き上げる!明日から実践、儲かる『耐スリ』戦略講座」をテーマに掲げ、見積もりの適正化と最新技術への対応を通じた収益構造の改善を目指し、行われた。
不正請求の課題からスタート
講習会は、トヨタディーラーで生じた高機能塗装の不正計上を例に、自分たちも「高機能塗装を塗っていないのに、計上してしまっている」のではないかという問題意識からスタート。見積もりで適正に利益を確保する方法と、高機能車両への対応を標準化することが目的とされた。
不正が発覚した車体整備事業者が、顧客への返金や車の再預かり・乗り直しといった大問題に発展したケースが共有され、適正請求の重要性が改めて強調された。
座学と実技で最新動向を網羅
講習内容は、座学と実技が組み合わされた構成。午前の部は座学としてプロトリオスによる「高機能塗装の見積について」の講義が行われた。午後の実技では、日本ペイントが当日の午前中に塗装したパネルに、石原ケミカルが磨き作業の実演を行った。通常クリヤーと高機能クリヤーの比較(色:1F7/202 × クリヤー:GL/グリフィス/TS2 × 磨き:通常/耐スリ)を通じて、現在の技術的な対処方法が共有された。
「磨き」「高機能ぼかし」を正しく計上
講習では、トヨタ車やスバル車など高機能車両が増加傾向にあるとし、適切に対応すれば収益性は高いとの見解が示された。また、磨き作業は高弾性樹脂のクリヤーが出始めた当初と比較し、材料が改良され、施工方法できあがったことで「慣れれば充分対応可能で」あることを確認した。見積りについては、しばしば高機能塗装のぼかしパネルの計上がモレている事例を紹介。利益確保につながる具体的な手法が解説された。
高機能塗装の見積り価格について、通常のクリヤーでは1パネル2万円だったものが、高機能塗装だった場合3万円程度まで増える可能性があると指摘された。
利益は待遇改善に直結
坂本理事長は、「(高機能塗装は)ちゃんとやればちゃんと利益も出て、皆さんの待遇改善にも会社の利益にも貢献する。」と強調。この講習での学びを現場で実践し、不正のない健全な運営で利益を確保することで、従業員の休暇や給与の改善に繋げるという業界の未来像を提示し、講習会は締めくくられた。



